Everything in Its Right Place(SUB3.5 or DIE)

マラソン(PB3:36:04)、バンド(ベース担当)、海外独り旅(現在26ヵ国)、酒(ビール、ワイン、ウイスキー)、釣り(最近ご無沙汰)をこよなく愛する後期中年者の日常。フルマラソン・サブ3.5を本気で目指すことにしてしまった。

シドニーマラソン2023

前日に下見をしておいたので、スタート地点までは順調に辿り着いた。

むしろ、初参加のオーストラリア人親子が私のホテルの最寄駅で迷子になっており、俺に着いてこい的に案内したぐらいにこのレースのスタート地点には精通していたのだった。

(ところで何故だか私は旅先で道を訊かれることが多い)

 

しかし、予想外のことが1つ。

参加者の人数に比べてスタート地点の簡易トイレの数が極端に少なく、列に並んでから用を足すまで実に1時間、おかげで余裕を持って到着したつもりが、スタートラインに立ったのは出走5分前だった。

かなりやきもきした。


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しかしですな、フルマラソン参加者17000人超えのシドニーラソン、号砲が鳴った後もなかなか列は進まずに、ようやくスタートラインを通過したのは体感的には約10分後でありました。(後に公式記録を見たらロスタイムは7:17)

 

スタートラインからいきなり急な登り坂だったのだが、これは実は親切な暗示であり、暗喩だった。

と言うのも、コースマップをみる限りはほぼほぼフラットなコースに見えたのだが、実際にはアップダウンの連続に次ぐ連続、そして結構な急勾配も少なくない。

 

最初の10kmは抑え気味に入ったつもりだったのだが、延々と続く坂に思いの外脚が削られた感じがあった。最後まで脚が保つか、早くも不安だ。

 

そしてもう一つの敵が気温である。

 

猛暑を避けて南半球のレースにエントリーしたというのに、前日から猛暑に襲われたシドニーの予想最高気温は32度、陽向に出ると陽射しが強烈で、湿度は東京よりかなり低いとは言え、予想外の強敵現る、という感じである。

 

結論から言うと、このレースは粘りのレースとなった。

 

抑えたつもりの最初の10kmのペースが、その後の巡行速度となり、30km以降は失速しないように粘るギリギリの速度となったのだ。

 

暑さのせいか、疲労のせいか、或いはその両方か、30km手前から目眩がしてきたが、呼吸は苦しくないし、なんとか脚も動いているし、とにかく粘った。

スパートなんて夢のまた夢、しかし皆さん苦しいようで、抜かれるよりは抜くことが圧倒的に多くなり、それが折れかけた心をつなぎ止めてくれるのだった。

正にメンタルのレースである。


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最後の最後、ゴールゲートのあるシドニー・オペラハウスまでも急な下り坂、疲れた脚に下り坂の着地衝撃と引力が滅茶苦茶キツいが、一歩も歩くことなくゴール!

 

多少のブレはあるが、最初から最後まで1km5:30前後のペースを保ったまま、走りきった。

ちなみに公式記録もガーミンと同じ3:51:17であった。

力を出し切った満足感と、自らの脚で長旅を終えた達成感、しかも目の前にはシドニー・オペラハウス、感慨もひとしおだ。

 

6月にコロナ罹患で走り込みが途絶え、7月と8月は記録的な猛暑でロング走が全く出来ず、2週間前に諏訪湖で行ったソツケン(という名の15kmビルドアップ走)でもサブ4を達成出来るかギリギリのタイム。

 

5月にエントリーした時には鼻息荒く3時間40分を目指そうと思っていたのに、調子は下がりっぱなし。

正直、撃沈も想定していたなかでのサブ4死守は、個人的には十分に納得の出来る結果だ。

欲張らずに上手くまとめた快心のレース運びだと言ってもいいかもしれない。

 

景色を楽しむ余裕は全くなかったけれど、それでも海外のレースを走るというのは、とても楽しい経験であった。

私にとってフルマラソンとは常に旅とセットなのだが、旅愁に異国情緒まで加わると、非日常感は極まる。

私は旅にもフルマラソンにも非日常感を求めているのだ。

 

そしてひとつのレースの終わりは、次のレースの始まりを意味する。

 

気が付けば秋の本命レースまであと7週間なのである。

今回のシドニーラソンは勿論ひとつの目的であり、結果はひとつの達成ではあるが、次のレースの為の練習としてのロング走も兼ねているのだ。 

 

怪我もなく、想定より速いタイムで走れたシドニー、次の本命レースへ向けて視界は良好だ。


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