密かに狙っていた3時間40分切りは達成出来なかったものの、従来の自己ベストを3分30秒更新して3時間41分12秒で完走した熊本城マラソン2024。
坂の多い難コース、そして季節外れの最高気温22℃。
完走率が91%に留まり、21人が熱中症で搬送されたという厳しい条件を考慮すれば、ひとつの達成ではある。
楽しみは次のレースに取っておこう。
さて、今回のレースを分析すると、
前半1:52:41
後半1:48:31
と、今回も後半の方が速いネガティブスプリットを刻んだ。
しかし、過去に3時間40分台で走った鹿児島、青森、仙台では、いずれも後半の方が6〜7分速い極端なネガティブスプリットだった。
その経験から、前半にもう少し突っ込まないと自己ベスト更新は難しいと判断した訳だが、結果的にそれが前後半のタイム差を縮め、自己ベストの更新にも繋がったのだと思う。次に3時間40分切りを目指すなら、前半更に速く走るのが必須だ。
5km毎のスプリットを見ても、前半抑えて後半上げる作戦が今回もハマっていた。特に30kmからもう一段ギアを上げて最速ラップを刻めたのも良い。まぁ欲を言えば35km〜40kmのラップが上がりきってはいないのだが、坂の多い難所だったし、粘りきったということにしよう。
わっかないマラソンで35km地点で脚が動かなくなった時には「あと7kmもあるのか」と絶望したが、30kmでギアを上げる時は「あとたったの12km」と自らを鼓舞する。
主観によって距離が伸び縮みするのがマラソンというものであり、キツさと余裕のせめぎ合いの中で、如何に30km地点での余力を残せるか?という自己マネージメント力が成功の鍵だとつくづく思う。
速報を見ると、後半は自分で思った以上に抜きまくっていた。
特に身体が疲れている上にアップダウンが続いて体力とメンタルも削られ、心拍数は時に170前後まで上がり、気力で走るしかなかったラスト10kmは、大勢のランナーをゴボウ抜きすることで、まだ自分には余裕があるのだと脳を上手く騙せたと思う。
ラスボスの坂で体感的には大失速したと思ったのだが、ラスト2.195kmのラップを見る限りでは、多少の落ち込みで踏み止まっていたようだ。
今回、自己ベストの更新に最も寄与したのは、間違いなくこの靴だ。
Saucony Endorphin Speed 3。
つくば、鹿児島、青森、シドニー、仙台と5大会連続で履いた私の勝負シューズ、HOKA oneoneのRINCON3は、安心と信頼のシューズではあるけれど、良く言えば安定感はあるのだが、悪く言うと記録が頭打ちとなっていた。
殻を破るために必要な最後のピースがシューズだったのだが、このエンドルフィンスピード、走り心地がRINCON3と全く異なる上に重量も25g重いので、ひとつのチャレンジではあった。特に独特の弾む感覚は味方に出来れば心強いが、ひとたび身体のリズムと靴のバウンドのリズムがズレると、より疲労が増す感覚があった。
同じsauconyのデイリー・トレーナー、トライアンフ20を履き込んで、sauconyの哲学を身体で覚えたのが奏効したのだと思う。
さて、まだ私のマラソンシーズンは終わらない。
4月に大本命レースの長野マラソンが控えている。
更にシーズンの締めくくりに5月には究極のご褒美マラソンも走ることになっている。
これらのレースもエンドルフィンスピードで駆け抜けるつもりだ。