2020年、コロナ禍とあり得ない人事異動で一気に規則正しいライフスタイルになった私は、持て余した暇を埋めるかのように本格的に走り始めた。
その前にも走る習慣はあったものの、一回5km、週に2回程という頻度で、とても趣味と呼べるようなレベルではなかった。
まさかその後にフルマラソンを走ることになるとは思いもよらなかったけど。
老齢、運動不足、走るには重い体重。
ある程度の距離を重ねると、下半身の故障が頻発するようになった。
自慢じゃないが、鵞足炎2回、腸脛靭帯炎2回、梨状筋症候群2回、足底筋膜炎1回と、病名を頂いた怪我だけで7回もやっている。どうだ!
最初に膝を痛めた時に、陸上用品店に行って店員さんに相談した結果、最も脚に優しいシューズということで勧められたのがHOKAのBONDIだった。ついでに上手く丸め込まれて脚に優しいインソールも買わされたのだが。
以来、私のメインのデイリートレーナーは、BONDI一択で、BONDI6、BONDI7☓3、BONDI8と実に5足も履き潰してきた。
何処かを痛めた時でも、ランオフするのではなく、BONDIを履いてゆっくりと走りながら治すという生き様を選択し、かれこれ39ヶ月連続で月間走行距離200km以上の生活が続いている。
走るという行為は、趣味というよりも習慣であり、生き方の選択ということでもある。
レース用のシューズもHOKAのRINCON3を5レース連続で使用していたのだが、記録が頭打ちなことと、あまり面白みのない履き心地に飽きてしまい、次のレースは手持ちのSauconyエンドルフィンスピード3で走ることにした。
このエンドルフィンスピード、独特の弾む感覚があり、この感覚に慣れるために同じSauconyのデイリートレーナー、トライアンフ20を試しに買ってみたのだが、これがとんでもないアタリのシューズだったのだ。
第一印象は思ったより弾まなくて、凡庸な靴だなぁという感じだったのだが、これが大間違いだと気付くまでいくらもかからなかった。
疲労抜きジョグで極端にゆっくりと走っている時に気が付いたのだが、超低速走行でも重心の真下に着地すると、ポンッと優しく反発してくれる。
この靴の美味しい部分を意識して走ると、いい具合に余計な力が抜け、脱力して走れるのだった。
キロ5分半に上げても、キロ5分に上げても、4分台で走っても、とにかく重心の真下に着地すると気持ち良く跳ね返る感覚が味わえる。
余計な力はどんどん抜けて、結果トライアンフ以前よりも心拍数が上がらなくなったのには驚いた。
これだ!
私が自らの殻を破るために必要なのは、この要素だ!
まだレースで1度も履いたことがないというのに、エンドルフィンスピード3が大幅値下げされていたので飛びついてしまった。
トライアンフ20で練習し、エンドルフィンスピード3で本番を走るというのが私にとっての勝利の方程式に違いないのだ。
とは言え、デイリートレーナーは一足では足りないし、靴によってコンセプトも異なるので、まだBONDIの出番はありそうなのだが、さにあらず。
大好きなonの新作シューズ、cloudeclipseが最高すぎるのだ。
40mmを超える超厚底ながら安定感は抜群、さらにアウトソールのすぐ下に配置されたスピードボードの反発と、AIにより導き出されたというcloudtech phaseのライド感が相俟って、気持ち良く脚が回る最高に楽しいシューズなのだ。
トライアンフ20で日々気持ち良く走り、少し速めのジョグの時はcloudeclipseで楽しく走る。
これが私の2024年のランニング・ライフだ。
そしてトライアンフの最新作は21だが、これは20からアッパーだけが改良されたマイナーチェンジモデル。肝のミッドソールとアウトソールは全く同じなので、型落ちになって大幅値引きされている20が狙い目であり、更に楽天で10%オフクーポンを配布しているショップを発見したものだから、見過ごすことが出来ずに飛びついてしまった。
人間としても型落ちスペックの私には、型落ちのトライアンフ20とエンドルフィンスピード3が似合う。
3ヶ月で3足もSauconyを購入してしまい、トライアンフもエンドルフィンスピードも2足ずつ揃った。
これで今年は走りまくる!