道沿いには店の類いは殆どなく、トンネルと峠道が続くのみ。中信と東信を結ぶ山越えルートだ。
腹減ったなぁと漠然と感じ始めた頃、唐突に蕎麦屋が現れた。
それがこの奈賀井。
鹿教湯温泉付近の何もない不便な場所に、敢えて出店するとは相当な自信の現れとみて車を停めた。
全て十割蕎麦を謳う同店、メニューがやたらと多い。
更科蕎麦、丸抜き蕎麦、田舎蕎麦の三色蕎麦を注文。
長野県の蕎麦屋は総じて量が多く、頼もうかどうしようか悩んだ天ぷらは見送って正解だった。
蕎麦の色が濃くなるにつれ私の好みになる。
三色蕎麦を食べ終えた私は、もしこの店を再び訪れる機会あらば、田舎そばにしようと思った。多分ないだろうけど。
それから更科蕎麦は十割蕎麦にはあまり向かないかもしれないというのも発見だった。
つなぎを使ってツルッと仕上げた方が、更科感が出るのだと思う。
一方で、ボソボソした十割蕎麦の食感と田舎蕎麦はよく合う。
この濃厚な蕎麦湯の旨いこと。
いやー、幸せ。
会計を済ませてドライブ再開。
14時にはホテルに着いてしまい、チェックインまでの暇潰しに上田駅近辺をぶらぶら。
ガビーン(死語)。
美味しい駅蕎麦のちくまが閉店してるじゃないか!
フラッグシップメニューの鹿ソバ、食べたかったなぁ...。
いつまでも、あると思うな、親と金とちくま。
上田の哀愁。