年度末。
余った予算消化を兼ねて、とんとご無沙汰だった東十条の埼玉屋へ。
暴風で電車が止まり焦ったが、お陰で出遅れたのは我々のみならず他の客も一緒で、開店5分前到着で先客3名。
余裕で入れました。
この日は久々に大将も焼き場に立っていた。
大将の焼き加減はジュニアよりもレア傾向が強く、半生、いや、9割生のレバーに打ち震える。
牛、レバ、ハツ、シロ、チレ、ネギマ、タン、カシラ、シャモ。
お任せ串9本に、クレソン、ポルコ、煮込み、バケット、牛刺しを貰ってお腹も心も大満足。
飲み物は生ホッピーからのレモンサワー、レモンサワー、レモンサワー、締めの一杯は大将オススメの濁り酒でお会計。
我々(というのはサマーな後輩(仮名)と私だ)の顔を見るなり、
「おおっ、久し振り。元気だったか?」と固い握手を求めてきた大将、会計後も
「また来てくれよな」と固い握手でお別れだ。
クセの強い接客も、根底にあるのは高いホスピタリティだ。
ホスピタリティが高過ぎて誤解も招くことも少なくなさそうだが、慣れた我々には心地好さと感謝しかない。
店を出てもまだ18時前。暮れなずむ東十条の街を北へ向けて歩く。
下町というのは良いものだ。
そして埼玉屋は良い店だ。
大事な店は大事にしなくちゃ。
それはとりも直さず、通い続けるということに他ならない。
また来よう。
しかし、誰とだって構わない、という訳にはいかない。
この店は人を選ぶのだ。
それは大将やジュニアが客を選り好みするという意味ではなく、誘う相手を私が選ばざるを得ないという意味合いにおいて、だ。
大事なものは分かち合わない方が良い、分かち合いたくもない、というタイプの人間が多いのである、残念ながら。