Everything in Its Right Place(SUB3.5 or DIE)

マラソン(PB3:36:04)、バンド(ベース担当)、海外独り旅(現在26ヵ国)、酒(ビール、ワイン、ウイスキー)、釣り(最近ご無沙汰)をこよなく愛する後期中年者の日常。

青い鳥(稚内)

稚内の寂れたホテルの温泉は、まるで昆布で出汁をとったかのようなヌメリと色と香り、なかなか個性的な泉質で悪くないのだった。

早朝に目覚めた私は、前日のマラソンの疲れを抜くようにゆっくりと浸かる。

ラソンは惨敗に終わったけれど、兎にも角にも無事にゴール出来た訳で、温泉は貸切状態で、実に良い気持ちである。

 

その後、和定食的な朝食を頂き(可もなく不可もなく)、荷造りをして、1時間に1本しかないバスの時間に合わせてチェックアウト。

お世話になりました。

 

最北最果ての侘びしさを満喫できる、私好みの良いホテルだった。


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稚内駅のコインロッカーに荷物を預けたら、駅前散策。

ご覧の通り駅前商店街はシャッター街の悪夢。


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お目当てのラーメン屋、青い鳥へ開店と同時に入店した。


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ほう、ビールジョッキは青い鳥オリジナル仕様、いいですね。
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キタ━(゚∀゚)━!

一番人気の塩ラーメン。

澄んだスープのシンプルな稚内のラーメンは、決して「らぁ麺」などとは名乗らない。

ひたすらにシンプルで滋味深い優しい味、スープから立ち上る磯の香りと縮れ麺の組み合わせが最高である。

チャーシューとメンマもノスタルジー刺激系、驚きはないんだけど、しみじみと旨い。

もしも私が映画監督だったら、刑期を終えて出所したばかりの元受刑者役の高倉健に、娑婆の初めての食事としてこのラーメンを食べてもらいたい。

 

楽しいドライブとほろ苦いレース、2022年晩夏の北海道ツアーを締めくくるに相応しい一杯であった。

 

この後はバスで稚内空港へ移動し、全日空機で羽田空港へ。

 

羽田と稚内を結ぶフライトは1日に2往復あり、この最果ての地と東京の意外な近さになんだか新鮮な驚きを感じた。

というか、最北端のこの街と東京との近さは、私には理不尽で不可解であった。

 

スタート地点から42.195km走りきった者だけがマラソンのゴールにたどり着けるように、札幌から意思を持って侘しい陸路を選択した者だけが留萌にたどり着けるように、稚内にたどり着く為にはもう少し苦労や苦難があっても良いのではないだろうか?

 

稚内の情緒を味わうためには、羽田からダイレクトで行っては行けないのだと、私は確信した。

...。

のだけれど、その気になればダイレクトでこの地に来ることも可能なのかと思うと、ここを起点にした北部北海道の旅を満喫してみたいような、そんな気もしないでもなかった。

利尻島とか行ってみたいよね。