Everything in Its Right Place(SUB3.5 or DIE)

マラソン(PB3:36:04)、バンド(ベース担当)、海外独り旅(現在26ヵ国)、酒(ビール、ワイン、ウイスキー)、釣り(最近ご無沙汰)をこよなく愛する後期中年者の日常。

讃岐屋(護国寺)

土日に猛烈に壊れた腹具合は、月曜日には峠を越えたものの、まだ荒れ果てた余韻は頑然と残り、調子としては絶不調の範疇であった。

 

昼休みに会社を抜け出し護国寺の形成外科でいつものようにリハビリを受けたのだが、こんな時に限って左右の腸腰筋のマッサージを念入りにヤられ、私は反射で半液状化した排泄物が飛び出さないか、不安で仕方がなかった。

 

施術後はまたしても護国寺方面へランチに向かったのだが、吉野家の牛丼も、栃尾の半チャンラーメンも、壊れた腸にはいかにも重たく思われたのだった。

 

そうだ、栃尾の並びにうどん屋があったなと、その讃岐屋を目指す。

 

ラーメン、蕎麦、パスタ、麺類は何でも好きな私だが、うどんはあまり好んで食べることはない。

 

小学生時代に鉄道が好きだった私は、休みの日にはよく東京駅とか品川駅に電車の写真を撮りに出掛けたものだ。

その際に、駅の立ち食いそば屋でたぬきうどんを食べることも、こよなく愛していた。

しかし、確か5年生の時だと思うのだが、ある日気紛れに背伸びをしてたぬきうどんではなく、たぬきそばを食べて驚いた。そば、旨いじゃん!大人の味じゃん!

それ以降、私のなかではうどんとは子供と老人と病人の食事という位置付けになったのだ。

 

讃岐屋の前に着くと、私と入れ替わるように3人の老婆が店から出てきた。

やはりうどんとは子供と老人と病人の食事のようだ。
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この店、試得うどんという、日替りのオススメがある。

通常より50円安く、トッピングも1品無料で付くお得なメニュー、月曜日の試得うどんは鶏南うどん、よし、これにしよう。


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鶏南うどん、生卵。

讃岐うどんはコシが命のはずだが、手打ちを謳う讃岐屋のうどんは、かなり柔めのウェルダンうどん。のみならず、具材の長ネギまでもがトロトロになるまで茹でられたウェルダン状態だ。

いかにも病人の食事のようだが、実際今日の私はお腹を下した病人なのだ。

柔らかいうどんとネギ、優しい淡口醤油の汁、脂身の少ない鶏肉、全てが優しい。

ここに生姜が入っていたら完璧だな、などと考えていたら、店に入ってきた常連らしきオッサンが、「鶏南に小松菜。あと生姜入れて。」とオーダーしていた。

メニューに生姜の文字はないが、どうやら頼めば入れてくれるようだ。

覚えておこう。

 

アルデンテ原理主義を患っている私は博多ラーメンは当然ハリガネ、家系も二郎も硬めコール必須、うどんは讃岐か吉田か水沢ならOKというスタンスなのだが、この優しいうどんに不覚にも癒されてしまった。

柔らかいうどんを美味しいと思ったのは、もしかしたら小学生以来ではないだろうか?

 

歳とともに味覚や好みが変わることは自然なことだ。

これからはうどんとも仲良く付き合っていこう。なにしろ私の内臓は経年劣化により疲弊しているに違いないのだから。

 

席を立ち、会計を済ませる。レジ越しに見えた厨房でうどんを作っているのは、高齢の女性、所謂完璧なお婆さんだった。

そりゃ優しい味なのも頷けるわ。

 

また来よう。

 

【追記】

翌火曜日もお腹の不調が続いていたので、なんと2日続けての讃岐屋へ。


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火曜日の試得うどんは金比羅うどん。あげ、生卵、生姜トッピング。

具材はちくわ、とろろ昆布、小松菜、削り節。

名前の由来は分からないけど、これも壊れた腸に優しいうどんでした。

うどんの魅力に目覚めた2022年。