Everything in Its Right Place(SUB3.5 or DIE)

マラソン(PB3:36:04)、バンド(ベース担当)、海外独り旅(現在26ヵ国)、酒(ビール、ワイン、ウイスキー)、釣り(最近ご無沙汰)をこよなく愛する後期中年者の日常。フルマラソン・サブ3.5を本気で目指すことにしてしまった。

ウラジオストク放浪記(三日目)

路線バスに乗ってトカレフスキー灯台を目指す。

乗客たちはひとり、またひとりと降りていき、オンボロバスの車内はついに運転手と私だけになった。

ホテルのフロント女性に「灯台」を意味するロシア語を教わったので、その単語のみを命綱に運転手に私の目的地を理解してもらう。

実際には中国とは異なり、ロシア国内ではGoogle mapもGoogle翻訳yahoo!も問題なく使えるので、実はなんとでもなるのだが。

 

終点でバスを降り、しかしGoogle mapを見ると目指す灯台までは2km弱あり、私は迷いようのない一本道をとぼとぼ歩いた。

たまに車が通りすぎるが、私の他に歩いている人間はいなかった。


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見えてきた。

なんという荒涼とした風景だろうか。


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無人だ。

ものの見事に誰もいない。

皆似たような格好で個体識別がつきにくい、韓国人団体観光客もまるでいない。

静寂である。

何故だか私は唐突に立ちションしてやりたい衝動に駆られたが、何処でプーチンが見ているかも分からないのでその欲望を押し留めた。


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しかし、このみすぼらしい灯台が見所のひとつなのである。

ウラジオストクに見るべきものがいかに少ないか、推して知るべし。

しかし個人的にはこの手の哀愁は大好物、さらに10mを超える強風が吹き荒れていることで終末感も体感気温も5割増し、大満足なのであった。

 

芯から凍えて、引き返す。

すると犬の散歩をさせているおじさんと出くわせた。犬種は勿論シベリアンハスキーである。

この非日常的な世界の果てが、彼の日常なのだ。


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逞しく生きている猫たちもいた。

ウラジオストクの猫たちは人を恐れず、全く逃げない。

これもまた私にとっては嬉しい発見であった。


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行きと同じオンボロバスに乗ると、運転手も行きと同じだった。


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ケーブルカーも観光名所らしいので一応乗っておいた。

しかし乗車時間僅かに2分、500mぐらいなものでわざわざ乗る価値も見出だせないような気もするが、それだけウラジオストクに価値あるものが少ないのだと思うといとおしくもある。

 

その後はアルセーニエフ記念国立沿海地方博物館を見学。

多くの展示物はロシア語でしか説明されておらず、ちんぷんかんぷんなのだった。

ロシアにおいては英語は共通語というよりも、敵性語なのかもしれない。


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街で一番人気のジョージアレストラン、スプラ。

ここで夕食をとるつもりだったのだが、路線変更を余儀なくされた。

 

つづく。