終電まで痛飲してしまった。
近年、タイムパフォーマンスなる言葉が流行っている。嫌な言葉だ。
芸術や創作とはタイパの真逆のベクトルに成立している。
タイパ的概念では無駄や余白に思われる部分に神は宿るのだ。
例えばサブスク全盛の音楽シーンでは、前奏もAメロも飛ばしてサビ始まりの曲が増え、文学界では要約が重宝され、映像の世界では早送り再生が新たなスタンダードとなっている。
実につまらない。
その一方で、昔は毎日飲みに行くことも厭わない、むしろ歓迎すらしていた私が、飲み会を避けることが増えてきた。
禁酒とか節酒が目的なのではなく、むしろ毎晩家でワインを1本空けているので酒量は変わっていないのだが、下らない飲み会が単なる時間の無駄に思えてきたのだ。
もしかしたら、これもタイパ的な発想なのかもしれない。
コミュニケーションは大事だが、下らない飲み会でのコミュニケーションは双方向ではなく往々にして独り言の応酬で意味がないということに気づいてしまったし、本当にコミュニケーションが必要だと感じたら、日中アルコール無しで30分間1対1で向き合う方が遥かに有効だ。
というわけで、終電まで飲んでしまったのは、実に久し振りであり、有意義で楽しい飲み会でもあった。
さて、当然その翌日は寝不足と二日酔いでとても走るどころではなかったのだが、昼間集中的に業務に取り組み早上がりをして、ジムで軽く走ることにした。
トレッドミルとは退屈な作業で、尚且つ走っても風を感じないからか外を走るよりも疲れやすく、だいたい距離にして7~8km、時間にして40分~50分がいいところだ。
しかし仕事に関してはとても真面目とは言えない私だが、走ることに関してはとても真面目でありますな。
軽く飲んでから帰ろうと目論んでいたのだが、狂おしい程にビールが飲みたくて飲み屋までの道程を我慢出来ずに、ジムの近くのコンビニでビールを買って路上飲みをキメた。
ジムの後は路上ビールが殊更に旨いのだ。