巌哲@早稲田の、鮪塩冷やし。
昨年は提供が1日だけしかなく食べそびれ、2年ぶりとなる夏の風物詩。
2年前には既に1700円というラーメンとは思えない値付けとなっていたが、今年は遂に2000円と、ラーメンとしては一線を超えるような価格となった。
しかし、スモークした鮪の刺身が4切れに、大きめ厚めのローストビーフが2切れ。
こっそりと原価を下げて価格を維持するとい戦略があるが、巌哲のメニューはいずれも完成されたもの、値上げをして同じクオリティのものを提供し続けるという姿勢も、矜持の顕れとみた。
いやー、しかし旨い。
圧倒的に旨い。
キンキンに冷やされた硝子の器に、冷たいスープと氷水で締めた麺。
原価だけでなく、手間隙というコストも惜しみ無くかけられている。
スープの繊細かつ複雑な旨味は、他に類を見ないオリジナリティ。
いや、この調和そのものがオリジナリティだ。
スープも当然完飲。
ラーメンに2000円も払えるか、という気持ちはある。
しかし鰻だったら、寿司だったら、天ぷらだったら、2000円は高くない。
この鮪塩冷やしは、ラーメンの範疇で語るべき一品ではない。これは和食というべき逸品なのだ。
記録的に早い梅雨明け直後に猛暑日が続いたが、その後は戻り梅雨とも言うべきスッキリしない天気が続いた。
夏本番はこれから、価格に臆することなく、猛暑の日にはまた鮪塩冷やしを食べに来よう。