しぶそば蒲田店での朝ごはんを終えたら、一旦帰宅し機材を持って再び出掛ける。
目指すは渋谷のリハーサルスタジオだ。
迫り来る本番に備えて練習と確認に余念の無い我々である。
コロナ禍で生活様式のみならず、価値観の変更も強いられたケースは少なくないが、バンドという形態、存在のかけがえのなさを改めて痛感したことも、そのひとつだと思う。
1円にもならない、しかも金も手間隙も時間も真剣さもそれなりに必要な趣味だが、共同作業で無から作品を産み出す創造的な遊びは、何物にも代えがたい喜びでもある。
存在するだけなら創造的な遊びは不要だが、生きるためには創造力と想像力は必要不可欠なのだと私は確信している。
さぁ、出音は決まった。
フレーズも固まった。
あとは哀愁と激情を掻き鳴らすのみである。
ところで我々がこのスタジオをホームにしている理由は、地の利以上にブース内での飲食が可能な点にある。
スタジオは密閉・密接の二密空間だが、それであるが故に消毒は徹底的に徹底している。
逆に言えば、メンバー全員が陰性であれば、とても安全な空間であるとも言えるのだ。
予約した5時間のうち演奏に費やしたのは3時間強、残りはコンビニでビールとツマミを買って打ち上げ&打ち合わせである。
準備は万端だ。