熊ぼっこ。
熊はいいとして、問題はぼっこだ。
熊をフルボッコ?
いや、それではウイリー・ウイリアムスだ。
この店と熊殺しのウイリーに関係のあろうはずがない。
前置きはよいとして、最近、このラーメンと定食のチープな店が妙に気になるのだった。
生姜焼き定食、驚愕の550円。
美味いか不味いかの2択で答えよ、と誰かに問われれば、一切の迷い無く不味いと即答する。そんなの当たり前だ。
しかし、不味いの一言では片付けることの出来ない何かがある。
安過ぎる価格、学食のクオリティ。
つまり、昭和枯れすゝきの私に、鮮やかに昭和をリマインドさせる負のパワーを感じるのである。
郷愁と追憶の定食、それが熊ぼっこ。
飽食の時代、ともすると我々は感謝の気持ちを忘れがちだ。
勿論、私だって昔は良かったなどと愚かなことを言うつもりはない。(確かに良かったこともあるけれど、それはそれとして。)
不味いものも嫌いなものも暴力的に食べさせられた昭和の給食システムは、今の基準に照らし合わせれば、体罰に他ならない。
それでも、あの頃。大人たちは貧しさとひもじさを体験として持っていた。
「感謝の気持ちを込めて、いただきます。」
小学生の頃の給食の時に言わされていた言葉が蘇る。
それが熊ぼっこ。