コロナ発症2日前、私は昔の仲間と共に、馴染みの寿司屋の小上がりに居た。
その感染力の高さがしばしば話題になるコロナ、私はクラスターの発生源になってしまうことを恐れたが、幸い彼等はコロナを発症することなく、私は安堵した。
あの夜は普通に味覚があった。
サッポロビールが旨かった。
刺身も旨かった。
トロタク巻きも旨かった。
いつもトロタク巻きを沢山頼んでしまうのが私の傾向だ。
握りも勿論旨かった。
旬の穴子は格別に旨かった。
日本酒も旨かった。
話の通じる相手と旨い飯を囲むことは、とても有意義である。
残念ながらコミュニケーションとされるもののの90%は幻想だ。
あれは双方向ではなく、独り言の応酬だ。
シェアなんて激レアだ。
という訳で、定期的に催したくなる寿司屋の対話なのである。