Everything in Its Right Place(SUB3.5 or DIE)

マラソン(PB3:36:04)、バンド(ベース担当)、海外独り旅(現在26ヵ国)、酒(ビール、ワイン、ウイスキー)、釣り(最近ご無沙汰)をこよなく愛する後期中年者の日常。

旅読書

再確認したのは、とにかく海外旅行に行くと読書が捗る、ということ。

最近あまり本を読まなくなった理由は、老眼の進行と集中力の低下のみならず、海外旅行に行っていなかったことも大きかったようだ。

 

そんな訳で、ゴールデンウィークのタイ旅行の時は、久し振りの読書三昧だった。

 

備忘録的に読んだ本を記すと、

 

ファイトクラブ/チャック・パラニューク

・心はどこへ消えた?/東畑開人

おろしや国酔夢譚/井上靖

孤高の人(上下巻)/新田次郎

 

と、ジャンルも年代もバラバラなもの。

最初の3冊はKindle積ん読の山からレスキューしたものであり、孤高の人はフィジカルな文庫本である。

 

ファイトクラブは同名の映画がとても有名だが(勿論観たことはない)、いかにも病んだアメリカの小説という感じで、文体もアメリカ的で面白かった。

しかし、活字だからこそ成り立つこのストーリーを、どうやって映像化したのは気になるところではある。

 

臨床心理士の東畑開人氏の本は、週刊誌の連載を纏めたもので、軽い感じだった。

この人は書き下ろしの方が圧倒的に面白い。

積ん読の山にあと2冊残っているので、いずれレスキューしなくては。

 

おろしや国酔夢譚は、実話をベースにしている、ある意味で市井の民を主人公にした歴史小説とも言えるもの。

劇的なストーリーはあるのだが、井上靖ならではの硬質で淡々とした筆致がドラマを静かに抑制的に奏でる。なかなか沁みる本だった。


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孤高の人は、この小説の中に私は孤高の人を見つけることが出来なかった。

孤絶の人と世俗の人の破滅の記録という印象だ。

作者の意図か、或いはモデルとなった実在の登山家が実際にそうだったのかは分からないが、なんだかこれじゃASDの考察みたいだなと思った。

残念ながら、全く好みではなかった。

 

さて、これをきっかけに普段の生活に読書習慣が戻ってくるかと思ったが、やはり老眼の進行と集中力の低下から、あまり本を読みたい気持ちが湧いてこず、小説を避けて軽いものばかり読んでいる。

困ったものである。

 

早く海外に行かなくては。

積ん読の山は高くなるばかりだ。