2週間前の諏訪湖合宿までは順調に調整出来ていたのだが、通称ソツケンと呼ばれる15kmビルドアップ走で燃え尽きてしまったのか、諏訪湖から戻って以降急速に調子が悪くなってしまった。
走る度にスネが痛み、頑張っても思うようにスピードが上がらず、更に倦怠感・疲労感が酷い。
寝ても寝てもダルいのだ。
追い討ちをかけるようにマラソン当日の青森の天気予報は雨と暴風。
3時間40分切りを目指して練習してきたのだけれど、この条件では達成は厳しそうなので、目標を鹿児島マラソンで記録した自己ベストとタイ記録(3:44:42)狙いに下方修正した。
前回のレースをトレースし、あわよくば自己ベストを1秒でもいいから更新したい。
満開の桜、土砂降りの雨。
水溜まりもアチコチに。足元注意。
整列してスタートの号砲を待つ間に、幸いなことに雨は弱まってきた。
私の属する第一ウェーブは8時50分にスタート。と同時に100均で買ったレインコートを脱ぎ、近くにいたボランティアに渡して棄ててもらった。
スタートライン通過までのロスタイムは30秒程だ。
路上は一面濡れており、水溜まりも多い。
着地に気を遣う内に、知らず知らず変な力が入ってしまったのだろうか、2km過ぎから両スネが痛み始め、3km過ぎでパンパンになり激痛に発展、早くもリタイアしたくなってきた。
そして何故だか矢鱈と喉が渇く。
唾液の分泌が止まってしまい、口の中から喉までがらがらである。
5km手前のエイドで水を取った時に両足とも水溜まりに水没、靴の中までグッショリと濡れてしまい、早くもヤル気が完全に消滅した。
しかし、流石に5kmでリタイアするのはあまりにも恥ずかしく、低いテンションのまま走り続ける。
最初の10kmはネットで55分45秒。
鹿児島マラソンの時とほぼ同じである。
12km過ぎ当たりでスネの痛みが治まった。
少しだけペースを上げて10km~20kmのタイムは54分22秒。
大きな橋を渡る時に、右足が橋脚の継目にハマって軽く捻るアクシデント。
ヒヤッとしたけど、転ばなくて良かった。
20km~30kmのタイムは更に少し上げて52分48秒。
30km辺りから強い追い風を感じ始めた。
低気圧の中心が北に抜けたのだろう、時折薄日も差すようになった代わりに、凄まじい南西風が吹いてきたようだ。
そして追い風の恩恵なのか、30kmの壁にブチ当たって苦しくなるところなのに、むしろ余裕が出てきたのであった。
尻上がりに調子が上がってるのか?
しかし、35kmの折り返しを過ぎた所で思わずよろけそうになった。
暴風である。
向い風である。
身体が煽られる程の強烈な逆風が吹いているのである。
ラストスパートのつもりで体感では1km4分50秒台で走っているくらいの出力なのだが、風に身体が押し戻されて1km5分を切れない。
ううっ、もう止まりたい。
ああっ、せめて歩きたい。
でも残りはあとわずか、ここからは体力ではなく気合いだ!
恐らくは必死な不細工な顔で、そして間違いなくメチャクチャな醜いフォームで、もがくように走る。
30km~40kmのタイムは51分18秒。
鹿児島の時のようなスパートは出来なくとも、一番苦しいところでペースを上げることは出来たのは収穫だ。
つまりスピードは全く無いが、少なくともフルを走れる持久力だけはあるのだ。
ラストはもういつ失速してもおかしくないような極限状態に陥ったが、なんとか持ちこたえてゴール。
もしもゴールがあと1km先なら、恐らく走り続けることは出来なかっただろう。
手元の時計では3時間45分25秒ほど。
先月の鹿児島マラソンで記録した自己ベストには40秒ほど及ばなかったが、ラスト7kmの猛烈かつ激烈な向い風が無ければ、もしかしたら自己ベストを更新出来たのではないだろうか?
目標を達成出来なかった悔しさは全く感じず、むしろ全力を出し切った満足感の方が強かった。
でもこの程度で満足してしまう自分には、まだ3時間40分を切れる走力はないということだろう。
残念ながら、これが今の私の実力なのだ。
さて、フィニッシャータオルと軽食と飲み物を受け取り、手荷物をピックアップに行くと、荷物受取所の巨大テントの前には長蛇の列。
並んでいる間に折からの暴風で身体がすっかりと冷えてしまい、寒くて仕方がない。風邪引いたらどうすんだよ?
そしていざテントの中に入ってみれば、荷物が乱雑にぶちまけられており、多くのランナー達が荷物を踏み分けながら、自分の荷物を探しまくっているという地獄絵図が展開されていたのであった。
こりゃねーわ。
案の定私の荷物もなかなか見付からず、ボランティアのお姉さんがようやく見つけてくれて荷物を受け取った時には、ゴール後40分以上が経過していたのだった。
身体は冷えるし、心はなえるし、ううむ、これは要改善ですね。
しかしながらゴール地点から私の宿泊しているホテルまでは徒歩5分程と至近。
このコンパクトさが地方マラソンの魅力でもある。
私はやはり大きな大会よりも、ローカル色の強い大会の方が合っている。
これにて今シーズンのマラソンチャレンジは終了。
9月稚内、11月つくば、3月鹿児島、4月青森と、我ながらよく走りました。
次の闘いは秋の予定だ。