会社を出て、所用のために目指すは西日暮里。
半世紀以上東京に住みながら、ここで降りるのは恐らく初めてである。
とは言え、冷静に考えたら、いくら山手線の駅といえども、降りたことのない駅は他にも幾つかあるのだった。
さて、少なくとも1時間は掛かるものと見立てていたのだが25分程で終了、西日暮里駅に着いたのは16時半過ぎなのであった。
閃いたね。
というより、呼ばれたのかな?
と、訪れたるは、聖地・赤羽の米山。
開店10分前に到着した私は2番手、しかしわらわらと2人連れが3組現れ、そこそこの入りで本日の米山祭りがスタートした。
いつもは線路側の奥の席に座ることがおおいのだが、この日はマスターの神業を間近で見られるテレビの下に座った。
先ずはマスターに新年のご挨拶。
全員分の飲み物を聞き、それらを素早く提供し、オーダーの紙を配り、薬味の乗った取り皿を準備し、カセットコンロに火を入れて、焼き物からスタート。
予め切って仕込んでおくのではなく、都度オーダーが入った分だけ肉塊を切り分ける。
エッジが立ったモツは、こうして生まれるのである。
独りだと食べられる量が限られるので、私は個人的な不動のツートップ、レバとチレをオーダー。甘いし臭みは無いし、うっとりとするような旨さである。
レバとチレは米山に敵う店に出会ったことはない。
ビールの後は黒ホッピー。
早くもいい気持ち。
キタ━(゚∀゚)━!
日本一の究極の煮込み。優しい味。
言葉はない。ひたすらに味わうのみ。
肉豆腐。
時節柄シェアが憚られるマスター渾身の一品にして逸品料理は、独りで来てこそ頼めるというもの。旨いなー、ホッピーおかわり!
ちらほらと新規客が入ってきて、マスターのルーティンが崩れる。
かつてのように総入れ替え制のような客の入りだとマスターの手順に迷いは無いが、新規客の飲み物のオーダーを取り、薬味の乗った取り皿を用意し(なにしろ生姜とニンニクもその都度下ろしがねでおろしているのだ)、なんてしていると、複数のタスクを同時にこなさざるを得ない。
悪いね、つくねもう少し待ってな。
と、マスター。
基本的に暇をもて余している私には急ぐ理由などなく、ゆっくりやって下さいと返す。
ホッピー2杯飲んだので梅ハイにチェンジ。
独りでくる時は酒3杯を基本にしているのだが、今日は仕方ないですね。
キタ━(゚∀゚)━!
大本命、世界一のつくね。
やはりいかに待とうとも、これをスルーする訳にはいかない。
旨いじゃ全然足りない、これは危険な程に旨すぎる。
毎回毎回驚く旨さ、クォリティの高さもさることながら、この安定感こそが最も驚異的である。
これにてお会計。
今年もお世話になります。