サマーな後輩(仮名)と揃って半休を取得して、お久し振りの埼玉屋へ。
いやー、懐かしい。
16時開店、行列必至、普段からハードルが高めな埼玉屋ではあるが、この日のありがたさは尋常ではなく感じる。
定時に店が開き、最奥のカウンター席に陣取ったら、本日も華麗なる激情型モツ焼き劇場の開幕である。
サマーな後輩(仮名)は生ビール、私は生ホッピーでカンパーイ!
生ホッピーはこの店と、横浜野毛のホッピー仙人でしか飲んだことがない、滅多にお目にかかることの出来ない貴重な酒だ。
瓶のホッピーとは相当に異なる味で、これが実に旨いのである。
ベリーレア((c)大将)の牛串から始まったこの日の埼玉屋劇場、2本目のシロから焼き手はジュニアに代わり、大将は厨房で一品料理に勤しむ。ハツ、ネギマ、タン、レバー、チレ、カシラ、シャモだっけな?
素晴らしい9本コースを堪能してもまだ足りず、シロタレ、ナンコツを追加して串を11本。
更に大将曰くスペイン風に仕上げたというレバーステーキ(超美味)、初めてのメニュー牛タタキ(驚愕の美味)、いつもの肩ロースの煮込み(安定の美味)、豚の耳のオリーブオイル漬けポルコ(串の味変にも使える)、フランスパンを貰い、腹一杯。
埼玉屋のレーゾンデトゥール、レモンサワーも昔同様の継ぎ足しスタイルに戻っており、追加オーダーする度に更に深く濃く旨くなるアンストッパブル・エンドレス・サワーと化す。
いやー、旨い。
いやー、幸せ。
料理と酒に対する研鑽と愛情と誇り、一癖も二癖もある接客も、慣れた我々には心地好く、ホスピタリティしか感じない。
この店を愛せるか否か、この店から愛されるか否かは、我々にとって人間性を判断する上での重要なリトマス試験紙だ。
小さな権力の上で胡座をかいている虫ケラのようなあの糞どもを、我々がこの店に誘うことは決してないだろう。
大満足で店を出るとまだ6時半を少し過ぎたところ。
もう一軒行く余裕がありますな。
線路沿いに北上してワインバーGRIKENへ。
ここのところ埼玉屋の後にワインを飲みに行く定番の店になっており、マスターにも「埼玉屋の後にワインを飲みに来る客」として完全に覚えられていた。
マルベックのボトルとツマミ盛合せ。
この力強いワインが、埼玉屋の後の締めに最高なのだ。
フルボディの余韻をビールで洗い流して締めたいところだったのだが、生憎と8時閉店とのことで追加オーダー叶わず。
では別の締め方をしますかと、店を出た我々は駅とは反対方向に進路をとったのだった。
常に危険な道を選んでしまうのは、我々の悪いクセでもある。