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巌哲(早稲田)

ブルーブラッドな後輩(仮名)とマラソン打ち上げディナーの約束をしていた日、重すぎないランチがいいかなと早稲田の巌哲を訪ねると、色々と変わっていて大変に驚いたのであった。

 

先ず店に入ってすぐ左側の券売機。

タッチパネル式で電子マネー決済の可能な最新鋭のものに変わっていた。

勝手が違って使いにくいが、慣れの問題かもしれない。

 

そして価格。

先週まで1200円だった肉醤油は、一気に1400円へと大幅な値上げがなされていた。


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そして席に着くなり目に飛び込んで来たのはなんと調味料だ!

麺の硬めお断り、卓上には調味料の類いなど一切ない、頑固一徹巌哲スタイルが崩れたのは、大いなる驚きである。

そして卓上の魔法瓶からセルフでグラスにお冷やを注ぐと、先週まではお茶だったのに、単なる水になっていた。


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着丼。ニュー丼だ。

以前はお盆の上にレンゲと丼が乗り、袋井りのエコ箸とお手拭きが事前に提供されるスタイルだったが、皿の上に丼とレンゲが乗り、お手拭きの提供はなくなっていた。

 

そしてスープを飲んでビックリ。

鶏の香りが格段に高く、鶏油のようなオイリー感も増している。飯田商店系統のスープを少し加えた感じと言えばいいのだろうか?

そこは勿論巌哲さん、あくまでも優しく滋味深い味であることには変わりない。

さらに驚いたのは肉。

薄切り肉からハムのような厚切り肩ロースへのグラデーションが巌哲さんの肉醤油の特徴だったのだが、一番上に乗っていた矢鱈と大きくて噛みきりにくい真打ちの肉が、タレのよく染み込んだ巻き豚、つまりは腕肉に変更されていたのだった。

 

うーん。

進化を止めない護国寺のMENSHOに対し、完成された美学の巌哲(あるいはBASSO)という自分内対比は、良い意味で裏切られましたな。

素材にとことん拘っていることは想像に難くない巌哲さん、値上げやむ無しな事情もわからないでもないが、値上げと共に完成された味のその先を見せてくれるとは、なんとも粋じゃないですか。

 

物価は上がる一方なのに、収入は一向に増える気配もなく、贅沢は敵なのだが、この店は私のラーメン・ポートフォリオからは決して外すことの出来ない名店だ。