2ヶ月振りに目白に髪を切りに行ったついでに、目白田中屋を覗くと開いていた。
酒屋界のアミューズメントパークのような田中屋、陳列された酒瓶を眺め、手書きのPOPの文章を読んでいるだけで楽しい。
あれもこれも欲しくなるが、この日購入したのは...。
グレンファークラスの12年。
スペイサイド・モルトであります。
これは数年前に訪れた渋谷の某ロックバーで、モルトはあるかと尋ねたところ、提供されたのが初めての出会い。
知らない銘柄だったこともあり、全く期待せずに飲んだのだが、濃厚で深い味、アイラモルトのようなトゲはなく、ピートの香りも皆無、しかしなんとも複雑な甘味があって、かなり気に入ったのだ。
以降、私のお気に入りリストに加わっており、バーで飲む機会はその後もあったのだが、購入するのは実は初めて。
ショットグラスに注ぐ。
まず、香りが圧倒的に良い。
カラメルのような、凝縮された甘味と苦味が感じられる。
嘗めるように一口飲むと、まろやかでフルーティな味。
アイラモルト、特にラフロイグのような強いピートの刺激とは真逆の、優しい旨さ。
良い香りと相俟って、なんとも優雅な気持ちに。
そして思いの外フィニッシュが長く、寝酒に一口飲んでからベッドに入ると、あれ?胃の奥からグレンファークラスの香りが立ち上ってくるかのような。
このフィニッシュの長さは、我が最愛のモルト、アードベグに匹敵するかもしれない。
自宅の酒棚にあるハイランドモルトのグレンモーレンジ10年、そしてアイリッシュモルトのカネマラと比べても、香り・味ともに圧勝。
再来月髪を切りに行く際には、アルコール度数60度のグレンファークラス105を買ってみようかな。
しかし、今家の酒棚にはアイラモルトが無いしな。うーん、あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい、もっともっと欲しい!
ことほど左様にウイスキーとは楽しいものであります。