令和元年10月18日、不本意ながら諸事情により愛車を泣く泣く手放した。
2006年2月に走行距離僅か12000kmで手に入れて以来13年8ヶ月。
私の人生で通算5台目の車であり、最も長く付き合った車でもあった。
動かなくなるまで乗り続けるつもりで、今年の6月に車検を通したばかり、しかもその時にタイヤも履き替えたので、最近乗り心地も格段に向上していたのだ。
3200ccという排気量の割には加速は悪かったものの、安定感と安心感のある走り、布地の幌を持つオープンカーでありながら遮音性が高く、高速走行時ですらカーステで音楽を聴くのに全くストレスなく、そしてなんと言ってもステアリングのフィーリングが最高。
直進安定性がとても高いのだけど、高速道路のコーナーを速度を維持したまま抜けていくのがとても気持ち良かった。
色も美しい上に稀少性が高く、私は同じ色の同じ車種の車は今だかつて他に一度も見掛けたことがない。
そんな車に永年に亘り乗り続けたことで、人馬一体という以上に、ある種の私の象徴でもあったのだ。
最後まで付き合う事が出来なかったことを申し訳なく思いつつ、見知らぬ男が運転席に座り、ドナドナのように連れていかれる愛車を、私は為す術もなくただ呆然と見送ったのだった。