ネットで拾った情報だけだと表層的な部分しか分からないと思ったので、その本質を理解すべく、疲労抜きジョグの提唱者の著書を購入してみた。
それがこちらの本であります。
強度の高いインターバル走やビルドアップ走などのポイント練習は週に1度か2度にとどめ(但しかなりの高強度)、それ以外の日は1kmの全力疾走のタイムの2倍以上を目安としたゆっくりとした疲労抜きジョグに充て、更に週に1日は全く走らない休息日を設ける、というのがその論理の骨子だ。
週間走行距離の内訳の目安はポイント練習が全体の1/3、疲労抜きジョグが2/3という点もポイント。
極端に遅く走ることで怪我のリスクを抑えながら、ゆっくり長く走ることで末端の毛細血管まで血流を良くし、疲労物質を洗い流し、更には遅いといえども走ることで、長い距離を走れる脚づくりにも繋がるというもの。
結果的に言えば、私はこの著書の提唱するシステムを、今のところ採用していない。
1kmのベストの2倍のペースなら、サブスリーのエリートランナーでも7分/km、鈍足な私は1km9分以上というとんでもない遅さで走らねばならず、走るフォームでこの亀スピードを維持することなど到底出来ないからだ。
その代わりに、1km5分切り目標の頑張り走、1km5分半の真面目ジョグ、1km6分の長距離ペース走、1km6分半の繋ぎ/スロージョグ、そして1km7分のLSD/疲労抜きジョグと、低い走力なりにも意識的にペースを使い分けるようにして、更に繋ぎ/スロージョグとLSD/疲労抜きの合計が全体の2/3に程度になるように2ヶ月ほど続けてみた。
確かにペースを落とすと怪我なく長い距離を走れるのは最大のメリットで、長く走れる脚をつくるには有効であると感じる。
しかし疲労が抜ける実感はないなと思っていたのだが、ある日とんでもないことに気が付いたのだった。
永きに亘り私を悩ませていた慢性的な肩こりが、大幅に軽減しているのである。
というか最早こってないんじゃない、これ?という程に肩が軽い。
のみならず、ここ数年来私を悩ませていた絶望的な腰痛が、大幅に改善されているのである。痛みの残滓は確かにあるが、最早痛むという程ではないのだ。
スロージョグの最大の効能とは脚づくりではなく、全身の血流が良い状態を長時間維持し、末端まで充分に血液を行き渡らすこと。そして血液が末端まで運ばれれば、そこに溜まった疲労物質や老廃物は確かに洗い流される効果がある、という点にありそうだ。
これは発見だ。
つまりは脚を使っていながら、脚の疲労もある程度は抜けているに違いない。
また、この本にはランと入浴はセットにすべきで、走った日はシャワーで済ませずに入浴すべしとある。
こちらの効果は先日の印旛沼30km走で実践&実感済みだ。
ところでこの本をきっかけに色々と買い漁ってみたのだが、ランニング指南書とは読めば読むほど実に面白いものである。
例えばこの本を読んで「なるほど!」と思ったことが、他の本では全否定されていたりする。
また、この本が否定することを、他の本では推奨していたりする。
つまり走力を上げるための万人向けの普遍的なメソッドなど存在しないということなのだろう。
故に走ることは面白いのだろう。唯一絶対の正解があるものなんて、つまらないじゃないか。
色々なメソッドを試し、自分にとって良いと思えるもののみ取り入れ、走り続けよう。