Everything in Its Right Place(SUB3.5 or DIE)

マラソン(PB3:36:04)、バンド(ベース担当)、海外独り旅(現在26ヵ国)、酒(ビール、ワイン、ウイスキー)、釣り(最近ご無沙汰)をこよなく愛する後期中年者の日常。フルマラソン・サブ3.5を本気で目指すことにしてしまった。

プラハ国際マラソン2024

我ながらモノ好きだなと思わないでもない。

 

大枚叩いてプラハ国際マラソン出走。

しかも長野マラソンの僅か2週間後である。

 

申し込む時はテンションが上がっちゃっているので躊躇わずにポチるのだが、そのテンションがレースまで持続するかというのは別問題だ。

 

長野マラソン疲労が抜けきっていないことを感じるし、レース中に軽く痛めた右足首は、ジョグでも痛む。

 

ビールは物凄く旨いし、現地の人は午前中から普通に飲んでるものだから私もついついビールを飲んでしまうし、おまけに詳しくは書けないけど大変に興味深いバーを見つけて毎晩のように入り浸っているし、食べ物が合わないのかビールの飲み過ぎか、下痢も止まらない。

 

もうレースなんてどうでもいいやという気分になっていたのだが、前々日にマラソンエクスポへ行ってゼッケンと参加賞をピックアップし、前日にスタート/ゴール地点の下見にいったところ、俄にテンションが上がってきた。


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コレがスタート&ゴールゲート。

かなり幅が狭く、スタート前は渋滞しそうだが、ここをくぐるのかと思うとワクワクする。

 

ま、楽しんで走りますかね。

と、この時点ではファンランを決め込んでいた。

 

当日は4時に起き、マラソン前のいつものルーティンをこなす。

つまり、BCAA粉末とLグルタミン粉末を500ccの水で割って飲む。

そして日本ならここでオニギリの出番なのだが、チェコにそんなものはないので前日に買っておいたパンを食べる。

経口補水液パラチノース(炭水化物サプリ)を混ぜたものを500cc追加。

更にウルトラランナーの岩本能史氏考案、answer600という300ccの水に溶いて飲むだけで600kcal補給出来る究極の補給食を飲み干して、ウォーターローディングとカーボローディングと栄養補給の完了だ。

 

熱めのシャワーを浴びて筋肉にスイッチを入れて、レースウェアに着替えたら出発。

 

という流れ。

 

更にスタート1時間前には経口補水ジェルでロキソニン(尿意を遠ざける御守)とカフェイン錠剤(疲労をマスクする御守)を流し込み、更にスタート直前にBCAAジェル。これで完全に整うのだ。


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地下鉄MUSTEK駅近くに荷物預り所と簡易トイレがあり、手荷物を預けて用を足す。


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おお、ペーサーの姿が見えますな。

今日はこの4時間ペーサーについて行こうかな。


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曇りの予報だったのに、晴れてきた。

暑くなりそうである。


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スタートラインに並ぶ。

日本のレースみたいに何分前にはスタートラインのゲートを閉めるなどのビューロークラティックな規則はなく、無駄で退屈で主催者の自己顕示欲に満ちた下らないオープニングセレモニーもなく、実にユルイ雰囲気が心地好い。

 

ボーっとしていたら、突然大音量でスメタナモルダウが流れ始めて驚いた。

何でマラソンに全くそぐわないこんな哀愁楽曲が?

と思っていたら、そのうち集団が前に動き始めた。

時計を見るとスタートの9時を過ぎている。

恐らく号砲と共にモルダウが流れたのだろう。

スタートに気が付かなかったレースは初めてである。

 

スタートゲートが狭いので大渋滞が起こりロスタイムは5分1秒。

しかし、ゲートをくぐると直ぐに太い道になる為、ゲート通過と同時に嘘のように混雑は解消され、いきなり自分のペースで走れるようになった。

これはいいな。

 

最初の数kmは石畳を走る。トラムのレールも埋設されているところがあり、大変に走りにくいのであった。

まぁいいや、のんびりといこう。

 

街中なのと、ランナーも多いためか、GPSウォッチに表示されるペースがめちゃくちゃである。

時計を見ずに、心の声に従って走る。

 

いささか見飽きたというか馴れてしまったものの、やはりプラハの街並みは美しい。流石は街そのものが世界遺産なだけはある。

なんと贅沢なマラソン大会なのだろうか?

 

楽しい。

めちゃくちゃ楽しくなってきた。

 

心が楽しいと身体も悦びペースも上がる。

10km過ぎで3時間45分ペーサーを抜いてしまった。

幸運なことに、空もいつしか曇っていた。

気温はそこそこあれど湿度は低いので、直射日光がなければまずまずのマラソン日和だ。

もういってしまおう。いけるところまで行ってみよう。行き付く先が地獄なら、それはその時に考えればいい。

 

ガンバレー!ガンバレー!

 

不意に日本語が聞こえた方向を見ると、チェコ人男性が大声で私にエールを送ってくれていた。

嬉しくなって笑顔で手を振り返すと、元気になって更に私のスピードは上がった。

よく私が日本人だとわかったなと思ったが、ゼッケンには参加者の国旗が印刷されおり、小さな日の丸が見えたのかもしれない。

そう言えば沿道には日の丸を降る日本人が何人か見られたし、日本人ランナーとも何人か出会った。走りながら自分が日本人であることを強く意識することとなった。

普段は何とも思わないことで連帯感のようなものを意識するのは、私も異国で普段とは異なる孤独を感じているからだろう。

 

30km辺りからいよいよ痛めていた右足首が疼き始めた。だがここまで来たらスピードを落とす訳にはいかない。

脚の回転を意識してピッチを落とさないように、むしろ上げるつもりで走る。

概ねフラットなコースだったのに、30kmを過ぎてから幾つも立体交差があった。

これが本当にキツかった。

上りは気合で耐えればなんとかなるが、下りは着地衝撃が増すのでどうやったって右足首が痛むのだ。

 

足首を庇うように歩幅が狭くなってきたような気がするが、せめてピッチを落とさないように意識して粘る。

もう気持ちだけだ。

気合だ気合だ気合だ!((c)アニマル浜口)


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結果から言えば、足首が壊れる前に、私はゴールまで辿り着くことが出来た。

もう走らなくていいのだという解放感と、無事にゴール出来た安堵感も、いつもより大きかった気がする。


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タイムは自分でもびっくりの、3時間37分47秒(公式記録)。

10kmで3時間45分ペーサーを抜いた時点で当初の予定のファンランより速くなった自覚はあったが、なんと2週間前に自己ベストを記録した長野マラソンに次ぐ、セカンドベストじゃないですか、これは!

ラスト10kmは足首の痛みで全く余裕なかったのに。

いや、いつだってラスト10kmは余裕なんてないか。

 

とりあえずフルマラソンを走り切ったことは間違い無い。

レースの振り返りは後にしよう。

 


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私はゴール近くのレストランにレースウェアのまま入り、ピルスナー・ウルケルの1リットルジョッキをオーダーした。

震えるような旨さだった。