今は亡き人生のセンパイの命日に、センパイの愛した店で昔を懐かしみながら独り呑む。
此岸と彼岸とでの対話への試みだ。
私は瓶ビール、センパイには彼の愛したウーロンハイを。
手作りシューマイと、ポテトサラダ。
センパイが好んで毎回オーダーしていたが、久し振りに食べるとどちらもあまり美味しくないのであった。
でも、当時も毎回頼む割りには、あまり手をつけてなかったよな。
なんというか、シューマイこそがこの店の象徴なのだ、私にとっては。象徴は旨い必要などない。
油淋鶏。
うーん。
皮(塩)とつくね(タレ)。
うむむ。
ウーロンハイおかわり。
そうなんだよな。
たいして旨くないからいいんだよな。
だからこそ開店前から並ぶ必要などなく、フラッと寄ってサクッと飲み食いして、スパッと帰る。
それがこの店の流儀であり、魅力だ。
長居は不粋とこれにてお会計。
あれれ?
店の外には何人か並んでいるじゃないか。
こんな店だったっけ?