先日、蒲田の「新橋しのだ寿司蒲田店」(名前がややこしい)に行って気が付いたのだが、そういえば私は地元の寿司屋って、全く知らないのであった。
家の近所に数か月先まで予約の取れない超有名寿司屋もあるのだが、そういう寿司屋ではなく、実家の近くにあった今は無き町の寿司屋的な、肩肘張らない寿司屋が手持ちの札にあると、私の食生活もより豊かになるに違いない。
そんな訳で、私がこの街に越してから17年以上も毎日のように視界に入っていた駅前の寿司屋に、初めて入ってみた。
狭い入口から想像したよりも遥かに広い店内には、カウンター席に常連らしきオジサンが一人のみ。
瓶ビールを頼むとスーパードライの大瓶。生ビールしかなかったしのだ寿司よりもこの時点で好印象。お通しはブリ照り?青物の照焼で、悪くない。
おつまみ玉子。ちょっと甘い寿司屋の玉子、これもまた悪くない。
揚げ出し豆腐カニ餡かけ。
餡の甘味がやや強めながら、またしても、悪くない、いや、かなり旨い。
冷酒とイカウニはさみ揚げ。
サクッとした食感にウニとイカの旨味、これは酒のツマミにピッタリなアイデアメニューですね。悪くない、いや、とても旨い。
しかし粋人という冷酒は、私の好まない醸造アルコール入りだった。
トロタク巻き。
嗚呼、ちゃんとしたトロタク巻きだ。白ごまもいい仕事をしており、悪くない。蒲田のしのだ寿司のトロタクよりも遥かに旨い。
キリッと旨い、淡麗辛口の純米大吟醸。米の磨き云々の前に、私は純米酒が好きなのだということを再確認。醸造用アルコールが入っていると、いかに米を磨こうとも、余計な雑味とベタつきを感じるのである。
握りはお好みで中とろ、カンパチ、イカ、アナゴ、シメサバ。
どれも及第点、悪くないですな。全くもって悪くない。
純米酒との相性も良いんだな、これが。
8時でアルコールのラストオーダー、しかしお腹も酔い加減もいい感じだったので、お碗を貰ってお会計。
締めて5500円。
散々飲み食いしてこの価格、料理と酒のクオリティを考えると、コスパはかなり良いと言える。蒲田のしのだ寿司より1割安く、神田の博多とりかわ長政(ここではそもそもお腹いっぱい食べてない)と900円弱しか変わらないじゃないか!
シャビーな店構えと、某ログの評価も低いので、全く気にも留めていなかったのだけど、かなり使い勝手の良い、私好みの店であることを発見、なんだ、もっと早く来るべきだったな。
たまのプチ贅沢に、今後も使わせて頂きましょう。
善き哉善き哉。