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DD-Vineyard収穫祭

誘って頂きありがとう!


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収穫祭に、誘って頂き、本当に、ありがとう!

 

DDV夫妻(仮名)とワイン仲間達に混ぜてもらい、ワインど素人の私も、DD-Vineyard(仮称)2回目の収穫祭に参加した。

道に迷って若干遅刻したことは、この際不問に付して頂くことにする。

だって今日は目出度い日なのだから。

 

手慣れたDDV婦人(仮名)のレクチャーを受けてから、私も収穫スタート。

ただ摘めばいいわけでなく、状態の悪い粒、育ちきることが出来なかった蒼い粒を、ひとつひとつ丁寧に切り落としていく。

あのズボラなフランス人とイタリア人が、こんな細かい作業をしていたとは俄には信じがたい。

ラテンの人々は、食べることと飲むことに対する情熱は凄いのだな。

そして老眼の進行で近くが見えず、アル中の悪化で指先の震える私には、この細かい作業が大変な苦行だということも発見だった。

視点と手元が狂い健康な粒も幾つか落としてしまったのだが、土が付いたブトウはワインにならないので食べっちゃっていいとDDV婦人(仮名)はいうのだった。

初めて食べたメルローは、グレープというよりはベリーのような風味で、ワインのキャラクターからすれば思いの外控えめな主張の旨い葡萄だった。


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葡萄が箱にたまっていく。


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まだまだ葡萄はたわわに実っている。

摘む。摘む。摘む。


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お昼前には無事に全ての収穫が終わった。

去年の12倍にも及ぶ収穫量だったとのこと、DD-Vineyardは右肩上がりの成長率だ。

昼までには上田を発たなければならない私には、この記念すべき収穫祭に最後まで立ち会えたことは望外の喜びだ。

 

15年に及ぶ暗黒との格闘の末、生き方を変更したDDVセンパイ(仮名)が、ここに至るまでの過程/道程を知っている私としては、私自身には何も出来なかったにせよ、感無量なのだった。

 

ところで私には何も出来ない、という無力感を肯定することは、時として実はとても大切なことなのではないだろうか?

無力感と創造力は相克するのだ。

ネガティブを栄養にしなければ、ポジティブは産まれない。絶望は創造の母だ。

無力感を味方に出来ない人間が、ニヒリズムシニシズムに絡め取られていく。

 

DDVセンパイ(仮名)にも仲間達にも、そしてこの私にもニヒリズムが巣くっていないことを葡萄畑で唐突に突き付けられて、私は上高地の神に感謝した。

収穫とはやはり祝祭であり、祭りなのだ。

 

センパイ、是非来年も手伝わせてください!

 

そして私も自らの葡萄の実を育ててワインを造るべく、更に曲作りと録音に勤しもうと決めたのだった。

 

ワイナリーに葡萄を運ぶというDDV夫妻と仲間達とはここでお別れ。

 

私は農協の直売所に立ち寄り、年老いた母にお土産のリンゴ、梨、葡萄、信州そばを買い求め、東京へと進路をとった。

 

信州ツアー2021秋、終了。