きっかけはテレワークだった。
私は、ビールへの誘惑に対する自らの無力さを充分に自覚しており、テレワーク中に何かが嫌になった瞬間、ビールのプルタブを開けてしまう己の姿をありありと想像できた。
最初はそのような御守り感覚で購入したノンアルビールだったが、副次的なメリットをいくつか発見することとなる。
ひとつは、船釣りのお供に最適であること。
船宿への往復には車を使うので、いくら大好きだろうと船でビールを飲むことは好ましくないし(ひとたび許せば1本が2本、2本が3本、3本が4本とエスカレートすることは自明だ)、そもそも普段から大酒を飲んでいるので、たまの釣りには素面で向き合いたい。
このソリューションにノンアルビールが最適だったのである。
迂闊だっとしか言いようがない。
更に旅ラン。
手賀沼や印旛沼といった、日帰り旅ランの時に、走り終えて温泉に浸かった後、狂おしい程にビールを飲みたいのをグッと堪えてデカビタCとかを飲んでいた訳だが、これを家から保冷バッグにノンアルビールを入れて携えれば、それなりの満足感を得られるのである。
私は勿論酔いたくてビールを飲んでいる訳だが、単純に味が好きで飲んでもいたことにようやく気付いたのだ。
お気に入り銘柄その1、キリン零ICHI。
一番搾り搾り製法がウリ、お陰でかなりビールに近い味がする。
お気に入り銘柄その2、アサヒBEARLY。
これは正確には0.5%のアルコール度数があるのでノンアルではなく微アルだが、初めて飲んだ時は驚いた。
どこぞのクラフトビールかと思うような濃厚な旨味、脳がビールと錯覚して、普通に酔ってしまいそうな気がするレベルである。
しかしこのBEARLYには大きな問題が2つ。
ひとつは価格。めちゃくちゃ高いその価格はなんと、発泡酒のキリン淡麗グリーンラベルよりも高く、普通のビール並みなのだ。
モルトの風味がとても強いのは、かなりな原価をかけているからだろう。
そして小麦の使用量が多いせいだろう、糖質含有量が100mlあたり7.4gと普通のビールより2倍以上も高いのだ。
これでは折角普段使いに糖質0のパーフェクトサントリービールを飲んでいる意味がなくなってしまう。
そんな訳で箱買いしたBEARLYは、終了と共にお別れした。
ちなみにキリン零ICHIも100mlあたり2gの糖質は含まれている。
今現在我家の冷蔵庫には以下の2種類が常備されている。
ひとつは零ICHI500ml。
色々と飲み比べたけど、やはり味的にはこれが一番ビールらしさのあるノンアルである。
サイズも350mlだと個人的には中途半端なので、ビール同様500mlが良い。
但し、1缶あたり10gの糖質を含んでいるので、その点は考慮する必要あり。
とりあえず走った後のプロテイン代わりに飲んでる感じ。たんぱく質は入ってないけど。
もうひとつはアサヒのドライZERO。
アルコール0、カロリー0、糖質0、私の方向性とか生き様的には最も合致する成分だ。
やや単調で薄味ながらも許容範囲の味、水代わりにガブガブ飲んでも罪悪感がなく、特に夏場に重宝しそうな銘柄である。
そんな訳で、出勤前の朝ランの後にも、必ずノンアルビールを飲むようになってしまった。
ルールは逸脱していないけど、モラル的にはどうなのだろうか?
知ったこっちゃないけどね。