会社の金で同じフロアで働く社員一同に振る舞われる、鰻重。大人の事情の味がする。
確かに鰻は旨い。
しかし、情緒の欠片もない。
想像力や創造力、つまりイマジネーションやクリエイティビィティは、会社のデスクでは決して生まれない。
会社のデスクとは、所詮は作業場に過ぎないのだ。
しかし、旨い鰻屋のテーブルや、旨いもつ焼き屋のカウンターや、旨い寿司屋のカウンターや、旨い中華料理屋のテーブルは、発想力の温床となり得る。
温床という単語をポジティブな意味に使っていいものか分からないが、これは紛れもなく事実だ。
蔓延防止元年のフットボールでは世界はまだまだ正常化とは行かないけど、創造的な場所と仲間を少しずつ取り戻せるのは良いことだ。
そして、いくら旨かろうも、こんな非生産的な鰻は私は要らない。