緊急事態宣言発令前夜、呑み納めをしなくては。
赤羽や東十条の名店も頭を過ったけど、もっと身近にも愛する店があったじゃないかと立会川へ。
それがこちら鳥勝。
開店5分前に到着すると同じ考えの人が多いようで長蛇の列、これはマズいかも。
直ぐに店は開き、ひとりひとり検温と手の消毒をするのでゆっくりと列は進む。
なんとかカウンター席の一番端に据わることが出来た。
ギリギリセーフ。
瓶ビールからスタート。
キリンラガーの大瓶、渋いチョイスだ。
煮込とレバーブロック。
赤羽米山の醤油味あっさり煮込と双璧を成す、味噌系煮込の最高峰だ。
レバーブロックは奇跡の一品。
わかるかな?
ホッピー。
生野菜シングル。
シンプルだけどこの店では外すことの出来ない一品。
マヨネーズとドレッシングが絶妙なのだ。
忘れられしハラミステーキは提供まで80分
を要した。
お会計、締めて2350円。
料理は4品、ホッピーはナカ3回もおかわりしているのに、なにかをカウントし忘れているような異様な安さだけど、お父さんもお母さんもテンパり気味で余裕なく、3000円を差しだしお釣りを貰って店を出た。
立会川に沿って、大井町を目指す。
この店を初めて訪れたのは、1990年代の半ば頃だと記憶している。
恐らくはその頃のお父さんは今の私ぐらいの年齢で、お母さんは今の私よりもずっと若かっただろう。
無口なお父さんと明るいお母さんのコントラストで2人で元気に店を切り盛りしていたが、当時は若造だった私も、今ではカウンターに座りながら読む文庫本の小さな活字を追うのが辛いお年頃、時の流れは平等で同じ時間がご夫婦にも流れた2021年、最早この店は高齢のご夫婦2人だけで回すには広すぎるようだ。
諸行無常。
遊歩道にはふてぶてしい態度のネコがいた。
nothing is permanent.
緊急事態宣言発令という非日常の始まりに直面し、日常的な何もかもが愛おしい。
日常を取り戻したら、また好きな店のカウンターで酒を飲もう。