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生粋花のれん(茗荷谷)

護国寺の形成外科で腰痛と膝痛のリハビリを受けた後、茗荷谷まで脚を伸ばして宿題に取り組む。


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ミシュランガイドビブグルマン掲載店にして、弊社のビブグルマンことサマーな後輩(仮名)の大のお気に入り、生粋花のれんの塩を食べねばならない。

 

私の前には女子大生らしき2人組が並んでいた。

女子が群れをなして訪れるラーメン店は苦手な、偏見まみれの偏屈オジサンなワタクシ。

しかし、たまたまかもしれぬ。

 

ところが女性店員さんに促されて食券購入の為に店内に入ったら驚いたね。

なんと客の8割が若い女性客である。どうやら女子大生のようだ。

なんたる場違い感。

確かに近くには2つの有名女子大があるが、今は亡きいきなりステーキ茗荷谷店では、全くみかけなかったぞ。

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貝だしの10食限定麺がまだ残っていたので心揺さぶられるも、初志貫徹で旨み鶏だし特製塩。

 

見目麗しい丼、まずはスープを一口。

醤油同様プンと鶏の香り。しかし追撃がない。

鶏と塩と水のみといった味、潔いのかもしれないが、元々ラーメンには野趣のみを追求していた私には、なんだか物足りないのであった。

麺は淡麗系の基本型。最近はこの手の麺も好きになってきた。

低温調理チャーシュー、悪くはないのだけど、この手のチャーシューは最近やや食傷気味。そして餡ギッシリの鶏と豚二種のワンタンは、水餃子と言った趣き。これはこれで旨いのだけど、巌哲の口に入れた瞬間に何故だか具材の旨みを感じる魔法のワンタンや、海老と肉が二つずつ入った中華sobaいそべのツルッとした食感のニコニコワンタンの方が遥かに好みだ。

 

醤油は塩分濃度が強すぎて辟易したんだけど、塩はボンヤリしすぎてなんだかなぁ、という感じ。淡麗系が引き算の調和なのだとしても、引きすぎて必要なものまで削ぎ落としてしまった引き過ぎ君のようだ。

かつて桂花ラーメンが「当店のラーメンは少なくとも3回は召し上がって下さい」と喧伝していたように、そして本当に食べる程に臭みが旨みに変化していったように、削ぎ落とした旨みをキャッチ出来るようになるまではそれなりに訓練が必要なのかもしれない。

 

ごちそうさま、といって席を立つと、厨房の奥から挨拶してくれた若き店主らしき人は、まるでつけ麺の神・山岸一雄のような立派な体格をしていた。

なーんだ、自分は削ぎ落としてないじゃないか。

私はなんだか愉快な気分になり、未食の担々麺も試してみようかな、と思ったのだった。