土曜日。
南西爆風予報で船は出ないし、たっぷり惰眠を貪ろうと、目覚ましもセットせずに寝たところ、途中何度か覚醒はあったが、ようやく目覚めたのは9時をとっくに過ぎていた。
確かに私は22時には就寝したはずである。
平日も8時間は寝ているし、寝溜めが必要な状況ではないのだが、やはり春眠は暁を覚えないものなのだろうか?
洗濯を済ませてから着替えて、昼前に多摩川沿いにジョギングに繰り出した。
何も考えず下流に向けて走り出す。
羽田かみやを越え、大鳥居に到達。折角ここまで来たならばと羽田空港まで行って戻ってきた。
往復26km弱。
多摩川の河川敷は体感で20mぐらいの暴風が吹き荒れており、大変に走りにくい条件で、LSDペースにしてはやけに疲れたのだった。
湯温40度設定でぬるめの風呂を沸かし、筋肉を解すようにkindleもってゆっくりと入浴。
ロングスリーパーがロングスローディスタンス(LSD)走を行うと1日が短く、風呂から上がるとまだ朝飯前だというのに既に陽が傾いている。
そうだ、朝昼夜兼用の食事に、5時開店の力丸へ行こう。
5時ちょっと過ぎに店の前に到着すると、10人以上が列をなす、見たこともない光景が広がっていた。
猛烈濃厚激臭博多らーめん、嫌いな人は嫌いだろうが、好きな人には堪らない二郎的な同店、閉店を惜しむファンは多いのだ。
文庫本を持ってこなかったことを軽く悔やみ列に接続。
まずはビール。
そして半熟味卵ラーメン、茹でコールはハリガネ。
生にんにくをクラッシュし、紅生姜と白ゴマをかけてから頂きます。
旨い。猛烈に旨い。
間違いなく東京でナンバーワンの博多ラーメンである。
替玉は、唐辛子を練り込んだピリ辛麺、赤をハリガネで。
旨い。本当に旨い。
嗚呼、私はソウル・フードを失おうとしているのだ。
その哀しみが、旨さを倍加させる。
don't take it for granted.
力丸のみならず、全てに当てはまる真理だ。
閉店まで残りあと1ヶ月強。
毎日だって通いたい。
寂しい。
辛い。
家に帰り、喪失感を肴に赤ワインを飲む。
前夜あれ程寝たというのに、いつしか寝落ちしていた。