Everything in Its Right Place(SUB3.5 or DIE)

マラソン(PB3:36:04)、バンド(ベース担当)、海外独り旅(現在26ヵ国)、酒(ビール、ワイン、ウイスキー)、釣り(最近ご無沙汰)をこよなく愛する後期中年者の日常。

霊仙山登頂

霊仙山。

りょうぜんざん、と読みます。

 

7月に行き掛かり的な事情で鳥取県の大山に登ったので、なんとなく次に登る山について考えていた。

 

虫も嫌い、泥も嫌い、ジョグでも特に坂道が苦手な私が、何故次に登る山について考えなくてはならないのか、自分でもよく分からなかったが、恐らくはコロナウイルスのせいだろう。それとネパールへの追憶だ。

 

そういえば、私は新幹線の車窓からの景色で、岐阜羽島を過ぎた辺りから突如拡がる寂寞感のある景色と、その中に控えめに聳える伊吹山が大好きなのだと思い当たった。

 

そうだ、伊吹山に登ろう。

 

しかし、我々が決して自分の顔を見ることが出来ないように、伊吹山に登ると伊吹山を見ることが出来ない。

 

少し調べると、伊吹山の南側に霊仙山という山頂が360度の大パノラマで、琵琶湖も伊吹山も見えるという理想的な山が見つかった。

 

先ずは霊仙山に登って山頂から伊吹山を拝み、翌日に伊吹山に登ろう。

完璧だ。完璧なプランだ。

 

霊仙山に駐車場はなく、麓の醒ヶ井養鱒場の駐車場に車をとめる。

ここから登山口までは3.4km程離れており、ウォーミングアップ的に林道をひたすら登る。


f:id:OKComputer:20200927073726j:image

登山口到着。既に汗だく。


f:id:OKComputer:20200927073739j:image

いきなり深い林。

登山道は整備されておらず、剥き出しの自然である。


f:id:OKComputer:20200927073754j:image

沢を登る。


f:id:OKComputer:20200927073814j:image

誰も歩いていない。深い山の中に独りでいると、森の熊さんとばったり出会ってしまいそうで心細い。

聞こえるのは私の足音、私の息づかい、私のデイバッグにぶら下げた熊避けの鈴の音、そして鳥の鳴き声のみ。

 

五合目付近から霧が出てきて、更に心細さが増す。

 

突如目の前を巨大な物体が凄い速さで横切り、マジでビビる。


f:id:OKComputer:20200927073827j:image

ん?


f:id:OKComputer:20200927073842j:image

正体は鹿だった。


f:id:OKComputer:20200927184251j:image

霧は更に深まり、予報に反して雨まで降りだした。

大山登山の前に購入したDDVセンパイ(仮名)のイチオシ、モンベルのストームクルーザーを羽織る。

雨は一切通さないのに、中は全く蒸れない機能性の高さに軽く驚く。


f:id:OKComputer:20200927184310j:image

8合目には鳥居。

 

濃霧で9合目付近で完全に道に迷ってしまった。

スマホにダウンロードした地図アプリだけが頼りだ。


f:id:OKComputer:20200928072555j:image

9合目は経塚山山頂。

ここから一旦下って、隣のピークを目指す。


f:id:OKComputer:20200927184414j:image

着いたー!

 

しかし、360度のパノラマは、360度の白い霧。達成感が低い。

そういえば大山山頂も濃霧で何も見えず、どうやら私は山との相性が悪そうである。

 

雨のせいで泥濘と化した登山道を下るのは苦行だった。

なんで山なんかに登ってしまったのだろうか?

しかし登った以上は下らない限り下界には戻れないのだ。