大山登山を終え、麓の豪円湯院でビール飲みながら読了。
あの「七帝柔道記」の続編的小説との触れ込みだったので、同書に深く感動した私はハードカバーで購入したまま積ん読の山に加えて放置、その間に文庫化されてしまい、今回の旅行のお供に改めて文庫を購入したという締まらないエピソードの小説だ。
七帝柔道記も自伝的小説なら、この北海タイムスも著者が大学中退後に就職した、かつて存在した実在の新聞社であり、確かに続編的ではあるのだが、七帝柔道と異なるのは著者が投影された人物は脇役なのであった。
冒頭からラストまで圧倒的な熱量で、何度となく涙腺を刺激された七帝柔道と比べると、助走が長いというか、前半は楽しむには至らない感じ。
しかし、残り1/3を切ってからラストへの盛り上がりは流石七帝柔道記の著者、増田俊也だという圧巻の熱量、読み終えて暫し茫然とした私は、とりあえずビールをお代わりした。
もしかしたら七帝柔道記から続けて読んだら、少しがっかりしたかもしれない。
適度に寝かせた今こそが、私にとっての読み時だったのかもしれない。
そしてやはり私は会社を辞めるべきなのかもしれない。
窓の外は雨が激しくなっている。