初心者は卒業したので、今日は熟成の進んだ6ヶ月もの馴れ鮓を食べようと東宝茶屋に行ったのだが、7時半なのに既に暖簾が仕舞われていた。
店内に灯りは点いているものの、常連ぶって扉を開けるのは流石に憚られて、他の店に行くことにした。
やって来たのは新宮駅前、かつ田。
これが新宮スタイルなのか?
ん?仄かに柚子の香る玉子豆腐、これは旨い。
刺身の盛合せを頼む。
基本的に刺身には過大な期待は出来ない私だが、真鯛を一切れ食べてびっくり。
これは相当に旨い真鯛ですよ!
味が濃く、甘味があり、歯応えもある。
適度な熟成感、いやー、美味しい。
折角なのでハモも頂きましょう。
夏はやっぱりハモですね、旨い。
梅肉で食べることを発明したのは誰なのだろうか?
やはり創造力とは、想像力と発想力からなるものだ。
私も想像力を失わずに創造的に生きたいものだと、強く思う。
地酒の太平洋純米を頂きます。
オススメにあっただし巻き玉子。
いやー、綺麗な色、そしてふわふわで旨い。
職人気質の大将は無口で、昨日の気さくな東宝茶屋の大将とは対象的、大将に質問しても隣の女性店員さんから答えが返ってきたりして、もしかしたらここには中上健次の枯木灘的な闇があるのかもしれないと心配になった。
確かに運転していると、道路沿いには人権啓蒙や差別根絶を謳う看板もチラホラと見受けられ、枯木灘的な南紀の闇は、いまだ根強く存在するのかもしれない。
しかしカウンターの天井に沿うように打ち付けられた少し湾曲した太い木材が印象的なこの店、カウンターの向こうの大将も、この木のように一本気な性格なのかもしれない。
ま、少し曲がっているけどね。