猛暑日の東京。
朝っぱらから出勤前、高温多湿の中をジョギングしたせいで、身体の内面から火照り、冷たいものが食べたい気分。
そうだ、あそこに冷やしラーメンがあったはずだと早稲田遠征。
巌哲。
鮪塩冷やし、お値段は驚愕の1700円。
しかしそれだけ払う価値があるのだと、すぐに納得した。
まず、器自体がキンキンに冷やされている。
冷たいスープから麺を引っ張り出してすする。
旨い。出汁の聞いた塩スープだが、色々な旨味が渾然一体となった奥行きで、他に類を見ない味。
低温調理されたチャーシューを一口。
ん?これ、チャーシューじゃなくて、ローストビーフじゃないですか!
スープとローストビーフの相性も素晴らしい。
そして鮪の赤身を。
うーん、香ばしくスモークされていて、予想の遥か斜め上から強烈なパンチを食らった気分だ。
手前の葱のように見えるのは、山芋。
これがまた旨い。
そして、天辺に乗せられた九条葱も、オイルがまぶしてある。
食べ進める程にスープの旨味は複雑さを増し、まるで違法薬物を摂取したかのように不自然で巨大な幸福感に包まれてきた。
自分の意思ではレンゲを止めることが出来ずスープ完飲。
なんだか田代まさしの気持ちが分かる気がする。
頑固一徹のスタイルはやや押し付けがましく感じられて、どちらかと言えば苦手なのだが、それでも圧倒的な説得力がある。
美味しいは正義なのだ。
いやー、参りました。