千鯛丸での虚しい釣りを終えた後は、そのまま帰宅すると悲観主義を患いかねないのでご当地ラーメン店に立ち寄り。
夜中に起きて遠路遙遙千倉まで出掛けながら空っぽのクーラーを携えて帰るというのはロシア文学的暗黒を体現する行為に他ならないが、帰り道にご当地ラーメン店を加えることでその暗黒の旅路が遠足のような楽しさに反転するのだ。
古民家風のザ・ご当地ラーメン店、房州華乃蔵。
これいってみよう、数量限定の魚介鶏白湯らーめん。
醤油か塩を選ぶスタイルだったので、醤油を選択。
ところで私はすんなり座れたのだが、着丼を待つ間に店内に席待ちの列が形成され、なかなかに人気店であることが伺える。
着丼、どーん。
見た目は王道のラーメン。
ん?
味も王道じゃないか!
前回は薬品臭さを感じた麺は、いわゆる普通のラーメンの麺。
葉物野菜のトッピングもなく、青臭さのないスープはその名の通り、しっかりとした鶏白湯の奥に魚介の風味が感じられる秀逸なもの。
付け合わせのメンマもチャーシューも煮卵も普通に旨く、異端を期待していた私には若干の肩透かしながら、普通に美味しいラーメンだった。
ま、とは言え店の風貌がそもそも異端ですからね。
店の立地も「こんなところにラーメン屋が!?」的なとんでもない秘境感満載。
雰囲気込みでここでしか味わいラーメン、悪くない。
館山道は片側一車線区間がかなり減り、帰りも渋滞知らずのスイスイ快適ドライブ。
借りは早急に返す必要があり、近いうちに私はまた千倉を訪れることになるだろう。
ということはこの店も近いうちに再訪することになるかもしれない。