ベイブリッジ、ご来光、そして話題のダイヤモンドプリンセス号を眺めつつ、6時半に大黒の港を出た船は、一路横須賀沖を目指した。
前回船中唯一のボウズを喰らった嫌な記憶を早急に払拭すべく、同じ船の同じ釣座でのリベンジ釣行、しかし訊けば前日は船中1枚の撃沈に終わったそうで、なんとなく嫌な予感がした。
例年に比べ水温が高いとは言え、2月末は決して真鯛釣り向きの季節ではないのだ。
しかしタイラバとはメンタルな釣り、己を信じて巻き続けるのみ。
...。
......。
1人釣り、
2人釣り、
3人釣り。
気が付けば船で真鯛を釣っていないのは私だけになっていた。
真鯛はおろか、外道すら掛けていない、ボウズはボウズでも高僧である。空海である。伝教大師である。
もしもこのまま2回連続で船中唯一のボウズを喰らうようなことになれば、繊細な私の心は二度と立ち上がれない程の傷を負ってしまうかもしれない。
そしてこれがスランプというものだろうか、何故だか全く釣れる気がしないのだ。
メンタルなこの釣りにおいて、心で負けるとは致命的である。
「立てぇー、立つんだぁー、ジョー!」
「クララ!クララが立ったわ!」
私は丹下段平と化し、また、アルプスの少女ハイジを憑依させ、自らを鼓舞し続けたのだった。
【釣果】
6時30分出船、15時沖揚がり
真鯛1枚(0.6kg)
【タックル】
ロッド:がまかつ桜幻 B68-L solid.R
リール:DAIWA RYOGA BAY JIGGING C1012PE-HWL
ライン:PE0.8号、リーダー:フロロ4号
【本日の総括】
いやいや、薄氷を踏む思い、終盤に小さいながらも本命をキャッチして大惨事はなんとか免れた。
他の方が釣ったトラフグも頂き、おかずはバッチリだ。
振り返ってみると、確かに釣りに迷いはあったかもしれない。
あと、運気が低下しているというのも継続中のようだ。
しかし、0と1とを隔てる壁が最も高いこの釣りで、粘って最後に1枚釣ったことを前向きに捉えよう。
ノッコミは近いのだ。
甘味、旨味、脂の乗り、非の打ち所のないのが冬の東京湾の真鯛。
これを味わう為にも、次回また頑張ろう。