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ウラジオストク放浪記~帰国

ロシアで主流のUber的なタクシーアプリをSIMフリー携帯に予めダウンロードしていたのだが、空港から乗ったタクシーのドライバーが全く英語を話せなかったので、使うことが憚られた。

おそロシア

 

酒屋でワインオープナーを買い求めるのも一苦労だったし、バス停で私が乗るべきバスを尋ねた青年は私が英語で質問したのに全てロシア語で返してきたし、おまけにホテルのテレビはロシア語放送のみで何一つ世界情勢を理解できないのであった。

 

一方でホテルのスタッフ、レストランの店員、博物館のチケット売りなどは、まるでマリア・シャラポワのような綺麗な英語を話し、つまりメチャクチャ上手いか一言も話せないか、という極端なコントラストであったのだ。

おそロシア

 

恐ろしいと言えばウラジオストク空港の両替で、街中の両替所に比べて実に3割も悪い極悪レートだったのである。

うっかり2万円も両替してしまったので、およそ6000円も損したことになる。

しかも!空港でタクシーの手配を頼んだカウンターではクレジットカードが使え、更に街中でもレストランは勿論酒屋・コンビニの類いまでカード払いが主流であり、慌てて両替する必要などなかったのである。

結果キャッシュは余りまくり。

 

僅かに3泊だし、何も調べずにいきなり飛び立った感じだが、円ルーブルの相場やら、両替の情報やら、カード払いの浸透具合などは最低限調べておくべきだったなと反省。

旅慣れるのは良いことだが、慣れ過ぎると狎れたり舐めたりしちゃうので要注意だ。

 

短い旅は早くも最終日、出発便は13時過ぎで空港までは約1時間かかる。となると街を歩く余裕もなく、仕方なしに殊更ゆっくりと朝食を摂った後にのんびりとパッキングし、ホテルのスタッフにタクシーを呼んでもらった。

 

スタッフがアプリで呼んだUber的な白タクが依頼通り10時丁度にやって来て、往路の正規タクシーの半額、1000ルーブルで空港まで行ってくれるという。

しかしこの運転手がまた一言も英語を話せなかったのだった。

車は小さなトヨタのアクアで、こんなちっぽけな車で氷点下のウラジオストクを信じられない速度で飛ばす荒くれものだった。

私が速度計を見た限り、最高速度は158km/hに達し、生きた心地がしなかった。

しかしロシア語を話せない私には、速度を落としてくれと頼む術がなかったのである。

おそロシア

 

前日にWebチェックインを済ませ、モバイル搭乗券をスマホのアプリに取り込んでいたのだが、出国カウンターに行くと、チェックインカウンターで発券が必要と追い返される。

何故だ?

モバイル搭乗券は手元にあり、席も決まっていて、預け入れる荷物もないのに、長い長いチェックインの列に並ぶ純粋に無駄な時間。

しかし、後でわかったことだがボディチェックや荷物検査を受けた証明的なスタンプを搭乗券に押すので、モバイル搭乗券では意味をなさなかったのだと思われる。

おそロシア


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S7航空はこのようなキュートなルックス。

てっきりLCCかと思いきや、JALと同じワンワールドに加盟する、れっきとしたレガシー・キャリアであります。

とは言え日本の航空会社のような神経症的ルール原理主義とはかけ離れ、アジアの多くの航空会社のような高いホスピタリティもない。

しかし、そういうユルさが嫌いではない私である。

 

地政学的には極東ロシア、韓国、中国というのはとても重要な国であるはずで、お互いがお互いについて知っていることも重要なように思う。

領土問題、政治問題、歴史問題等の難問は確かに存在し、そういったややこしい種類の問題は悪感情の温床になるが、日常生活を送る一小市民にはどうしようもないことであるので棚上げしちゃって、虚心坦懐にこれらの国を見るというのも大切なことのような気がする。

自分の足で歩き、自分の目で見て、自分の耳で聞き、自分の言葉で話し、自分の舌で味わわなければ、決してわからないことが沢山ある。

 

新聞やテレビやネットのニュースは、一般的に思われているほどの客観性も公正性もなく、真実を伝えてはいない。

 

旅に出よう。

旅を続けよう。