折角千倉まで来たのだから、ラーメン食べてから帰ろうかな。
私の中に潜む悪魔の囁きにまんまと乗ってしまった私である。
食べログで見つけたその店は、民家そのままの店構えで、Google mapすら迷子になる奥まった場所に佇む隠れ家的な店。
磯野家スタイルの引戸を開けると、玄関というより土間といった昭和スタイルの全開の家屋。
靴を脱いで畳敷きの居間にあがるとそこが食堂である。
豊富なメニューに悩むも、これいってみましょうかね。
特製旨辛ラーメン、1150円也。
醤油か塩を選ぶスタイルだが、店員のお姉さんのオススメに従って醤油をチョイス。
スープを一口。
うーん、淡麗というには少し濃厚な上品な醤油スープを、沢山のせられた水菜の青草さがスポイルしている印象。
次いで麺を。
ん?臭っ!
小麦の香りを台無しにするような、泥のような薬品のような匂いがする。
なんなんだ、この麺は?
何か特殊なものを混ぜているのか、或いは配合ミスか、いずれにせよ今までの我がラーメンライフでは未体験の麺だ。
細身で歯応えの良いストレートの麺の食感は悪くないんだけどな。
たっぷりのチャーシュー、そして煮卵は文句なく旨かった。
しかし、全体的に不味いと断定出来ないような何かがある。
これはもしかして、16歳の時に初めて食べた桂花ラーメンのようは位置付けなのかもしれない。
初めて食べた時は、今までに経験した全てのラーメンからかけ離れたその異形に恐れをなして完食すら覚束なかったのだが、二度、三度と食べるうちにすっかり魅了され、一時は桂花しか食べなかったぐらいにハマったのだ。
青臭く、泥臭く、薬品臭くすらあるのだが、この記事を書いている今ですら、もう一度トライしたい気持ちがムクムクと湧いている。
不思議だ。
また千鯛丸に行こう。
そして帰りには華乃蔵に寄ろう。
ちなみにこれは前日の三ん寅に続く2日連続、更にサマーな後輩(仮名)に東十条で拉致られたので今週三度目のラーメンだ。
私は帰宅後、道具を洗う前に着替え、寝不足と釣りで疲れた身体にムチ打って、8kmのジョグを敢行した。