活き餌がないならルアーを使えばいいじゃない!
と、マリー・アントワネットは言っていないが、私は思ったのだ。
イワシが捕れずに冬のメインの釣りものイワシ泳がせ釣りでの出船がままならず、苦しい状況が続く千倉の千鯛丸に、私はジギングタックルを携えて向かった。
5時半集合の6時出船。
最初は餌となるアジ釣りに実績のあるポイントへ向かうも、前日まで続いた時化の影響か、アジは行方不明なのだった。
「ダメだぁ~、水温が3度も下がってらぁ~」と、船長もマイクで嘆き節。
何処を攻めてもアジは釣れず、1時間ほどで見切りをつけて、ヒラメやハタの実績あるポイント狙いに切り替えた。
ジギングと言えば、私はほぼタチウオ専門。
スプリングターンオーバーが発生した時に、相模湾でディープゾーンを狙うスロージギングをやるぐらい、果たして千鯛丸が得意とするヒラメやハタを狙うにはどのようなアクションが良いのか、少ない引き出しの中身を総動員して、手探りで挑むしかない。
しかし、こういうのも面白いものである。
なんと言っても新鮮である。
どうやら私は、釣りの魅力のひとつは多様性にあるのだということを、すっかり忘れていたようだ。
前半は飽きない程度にアタリがあり、しかし何故だか掛かる魚の平均サイズが小さくてリリースがメイン。
結果的に本命のヒラメは釣れなかったけど、小さいながら大本命のマハタが釣れて個人的には及第点だ。
後半はどのポイントを流しても魚からのコンタクトなくなり走り丸状態、船長のマイクパフォーマンスも野村克也並みのボヤキ節に。
しかしながら気が付けば釣り上げた魚種は十目に及び、南房エリアでのスロージギングの有効性を確信出来たのは大きな収穫だ。
不安定なイワシの供給に一喜一憂することなく、このエリアで釣りを楽しめることが証明されたからである。
イワシ任せでアワセのタイミングを計る泳がせ釣りとは全く釣趣が異なるけど、誘って食わせた達成感はジギングに軍配が上がるかも。
いや、イワシ泳がせ釣りの代替としてではなく、異なる釣りとして確かに面白いな。
この日は釣れなかったヒラメや、南房ならではの大きなハタを目指して、すぐにでも再挑戦したいところだ。
【釣果】
6時出船、11時50分沖揚がり
マハタ、カサゴ、オキメバル、ホウボウ、アヤメカサゴ、カナガシラ、ヒメ、エソ、チカメキントキ、イサキ
【タックル】
ロッド:Major Craft Giant Killing GXJ B-66/5SJ
リール:DAIWA SALTIGA15HL
ライン:PE1.5号、リーダー:フロロ6号
【本日の総括】
「今日はいいところなくてごめんねー!9000円でいいよ。」と船長。
ダメダメダメダメ、イワシ餌の入荷が無い上に時化も続いて出船出来ず、一番苦しいのは船長なのに、ディスカウントなんてしちゃだめでしょ!
まったく、この船長の人の良さ、ホスピタリティの高さ、顧客第一主義には本当に頭がさがる思いだ。
自然が相手の釣りは、良い時もあれば悪い時もあるのが摂理なのだ。
ましてや前週タイラバで船中唯一のボウズを
喰らった私は充分に楽しめましたよ。
色々釣れることがわかったし、また来ます!
と船長に手を振ってから、私は車を走らせた。
千鯛丸への支持を表明する最良の方法は、千鯛丸に乗ることしかない。
お持ち帰りはこんな感じ。
根魚は基本的に美味しい。