ふと戸棚を見ると、釣りに行くときの朝食用に購入した桂花ラーメンカップ麺が、数日前に賞味期限を迎えていたのを発見した。
糖質制限の観点からカップ麺は控えているのだが、青春の残滓である桂花ラーメンを捨てるのはあまりにも忍びなく、私はやかんを火にかけてお湯を沸かした。
白濁した豚骨スープにマー油という桂花のエッセンシャルなツボは押さえているけれど、再現度自体はとても低く、こんなものを食べて糖質を摂取していまうぐらいなら、ちゃんとしたラーメン屋に行くべきだったと悔やんだ。
摂取した糖質はエネルギーに変換して消化しなければならない。
雨が止んだことを確認し、私はジョギングシューズを履いて外に出た。
相変わらず多摩川沿いのいつものランニングコースはあちらこちらで分断されているので、私は気紛れで橋を渡って対岸に出てみた。
これが正解だった。
二つの橋を使って大田区と川崎市を周回するコースはフラットで道幅もそこそこ広い箇所が多く、大変に走りやすいことを発見したのだ。
新たなコースというのも気分が変わって良いものである。
災い転じて怪我の光明転んでも只では起きない感じ。
今後の選択肢に、いや、多摩川サイクリングロードが復旧するまでのメインコースにしても良いかも知れない。
しかし見馴れた多摩川の変わり果てた姿には戦慄を覚える。
元の姿に戻るのは、当分先になりそうだ。
とりあえず摂取したカロリーは全て消費した。
割りと楽に10km走れたのは糖質効果だろうか?
ということは、きっと糖質も全て消費したことだろう。